医療過誤について
医療過誤とは、医療事故のうちの一つです。特に、人為的ミスを原因として、患者に被害が及ぶことを指して言います。
私たちは健康の維持・向上、検査や治療のために医療機関を利用しますが、医療行為が人の手によるものである以上、医療過誤の可能性が常にゼロというわけではありません。実際、近年は増加傾向にあります。
医療過誤は、医療機関にとって“あってはならないこと”です。証明するのは簡単ではありません。以下のようなお悩み、ご不安を抱えている方は、できるだけ早く、当事務所にご相談ください。
- 医療過誤が疑われるが、どう対応していいか分からない
- 医療過誤かもしれないが、長く世話になっているため指摘しづらい
- 医療機関で不適切な処置を受けてある症状が現れた、悪化した
- 風邪と診断されたのに、実は重い病気だった
- 手術を受けて「成功」と言われたのに、その後症状が重篤化して死亡した
- 明らかな医療過誤に対して、損害賠償を請求したい
- 医療機関と示談交渉に臨むが、一人では不安
- 医療機関が医療過誤を認めない、話し合いに応じない
- カルテを開示するよう求めたが、拒否された
医療過誤にあたるケース
医療過誤は、「手術の過失」「薬物投与の過失」「診断・診療の過失」に大別することができます。
手術の過失
手術の際の医師の技術的ミス、判断ミス、スタッフとの連携不足によるミス、麻酔投与のミスなどが挙げられます。
後遺障害や命にかかわる事案も多く見られます。
薬物投与の過失
経口・非経口を問わず、薬物の種類のミス、分量のミス、濃度のミス、タイミング・回数のミス、投与方法のミスなどが挙げられます。
薬物投与の過失であっても、後遺障害が生じたり、命を落とすこともあります。
診断・診療の過失
治療の内容を説明する義務を果たさなかった、手術後の経過観察を怠った、手術の前後の対応のミスなどが挙げられます。
体調に異変をきたしたり、同意していない処置・治療が行われていた、ということが起こり得ます。
医療過誤について弁護士に依頼するメリット
専門的知識、情報収集能力に頼れる
医療過誤における法律の専門的知識はもちろん、お客様のカルテなどの記録、過去の判例、その他必要な情報をスピーディに収集し、交渉に臨むことができます。
協力医を得ることができる
第三者的な立場の協力医に依頼し、適正な意見書、私的鑑定意見書を作成することができます。
訴訟を起こすときも安心
示談交渉によって合意が得られなければ、訴訟を起こすことができます。訴訟のときも、示談交渉から相談していた弁護士がいれば安心です。
一般的に、信用を第一とする医療機関が医療過誤を一方的に認めることはありません。そういった意味でも、医療過誤が疑われるときには、示談交渉の段階で弁護士に相談しておくことをおすすめします。
医療過誤の可能性がある場合に行う大切なことは?
医療過誤の可能性があると感じたときに、すぐにやるべきことがあります。
それは、医療過誤があったと思われる場面や期間を思い返し、記録しておくことです。医療従事者が自分にどういった処置をしたか、何を言ったかなど、細かく記録しておくと、有力な証拠となります。
記憶は時間が経つほど曖昧になります。気づいたその日にまとめ、できるだけ早く当事務所にご相談ください。
以下のような記録を残しておくことをおすすめします。
- 医療機関を受診するまでの経緯
- 受診した日時(過誤があったと思われる日以外も)
- 医師や看護師が行った処置の内容
- 医師や看護師との会話(問診内容・説明など)
- 具体的な治療内容
- 受診の前後の体調や健康状態の変化
- 医療過誤を疑い始めた時期
- 医療過誤を疑う理由(自覚症状など)
- その後の体調や健康状態の変化(毎日記録しましょう)
- 医療過誤について病院側と話し合った場合は、その説明の内容